【史上初】原油先物価格がマイナスに!どうゆうことなの?
原油に興味がある人「原油先物価格がマイナスになったらしい。これってどうゆうこと?これから何が起きちゃうの?」
こういった疑問に答えます。
日本経済新聞で以下のツイートがありました。
NY原油先物、初の価格「マイナス」 5月物投げ売り殺到 https://t.co/vyl76Ikvmb
— 日本経済新聞 電子版 (@nikkei) April 20, 2020
『NY原油先物、初の価格「マイナス」 5月物投げ売り殺到』
上記内容をわかりやすく解説します。
本記事の内容
- 先物取引とは?
- NY原油先物がマイナスになるってどうゆうこと?
- ガソリンがタダ同然になる?
3分で読めます。
先物取引とは?
先物取引とは、決められた日に、いくらで買うか?の取引
言い換えると『予約注文』。
こんな感じです。
今日(4月)時点で100円の石油を5月に150円で買うことを約束
5月になって、石油の値段が200円に値上がりしていたら儲け
石油価格は毎日変動します。
もし、実際に5月になった時に高騰して石油が200円になっていたら儲かります。
5月になって、石油の値段が50円に値下がりしていたら損
もし、実際に5月になった時に下落して石油が50円になっていたら損します。
先物取引とは、未来の決められた日に、いくらで買うか?の取引
未来にいくらになっているかは誰にもわかりません。
それを予想して、未来に買うことを約束して、値段を決めて取引を行います。
それが『先物取引』
NY原油先物がマイナスになるってどうゆうこと?
わかりやすく言います。
タダで原油が手に入って、さらにお金まで貰える
信じられないかもしれませんが、事実です。
今回、原油は1バレルあたりマイナス37ドルになりました。
う~ん、ピンと来たような来ないような・・・
もう少し整理します。
1バレル = 159リットル
1バレルは約159リットルです。
1ドル = 100円と想定
ドル円の価値は変動しますが、仮に1ドル = 100円だったとします。
その場合、以下のようになります。
衝撃です。
それくらいありえないことが起こりました。
生産しなければいいんじゃないの?
いいえ、違います。
そうゆうわけにはいきません。
上記の管をパイプラインといい、石油が流れますが、いったんパイプラインを止めると原油の成分の一部が固まり、目詰まりを起こします。
生産設備が壊れちゃうわけですね。
その設備の修理には莫大なコストが掛かります。
つまり、こうです。
生産しづづけるしかない
貯蔵タンクがいっぱいで原油の投げ売り発生
原油を保存するには専用の貯蔵タンクが必要です。
貯蔵タンクに保管するにはコストが掛かります。
近いうちに、消費(販売)できる予定があれば良いのですが、新型コロナウイルスの感染拡大で飛行機も飛ばず、原油使わないので全然売れません。
原油暴落のながれ
- ・新型コロナウイルスの感染拡大で需要が大幅減
- ・原油の生産止めたいけど、生産設備壊れるから止められない
- ・原油貯蔵するのにコスト掛かる。需要が大幅減でタンクいっぱい
上記の流れにより、原油の投げ売り(バーゲンセール)が発生しました。
こんな状況です。
ガソリンがタダ同然になる?
ガソリンの値段はタダにはなりません。
少しは安くなりますが、大幅には変わらないでしょう。
原因は税金です
通常価格の場合、ガソリン価格は以下の費用の合計です。
①原油価格+②税金+③諸費用+④マージン(小売店の利益)
通常時の1リットルあたりの費用
①原油価格
原油の原価 約45円(変動あり)
②税金
石油税 約2円
ガソリン税 約54円
③諸費用
原油からガソリンを作る精製費
貯蔵費
製油所(ガソリンスタンドまでの輸送費)
それらを含めて約10円
マージンなしのガソリン価格①+②+③+消費税は、
①原油価格(45円)+②税金(54円)+③諸費用(10円)+消費税(10円)=119円
ガソリンスタンドの利益なしでもこれくらい掛かります。
今回だったらどうなるの?
今回のケースで式に当てはめます。
原油価格(0円)+②税金(54円)+③諸費用(10円)+消費税(6円)=70円
50円くらい下がりましたね。
タダにはならないけど徐々にガソリンの価格は下がる
ガソリンを精製するために必要な原油の仕入れ値が0円になっても税金などが掛かるので0円にはなりません。
あと、通常価格で仕入れた古い石油が在庫にあるので急には下げることが出来ません。
将来的には、このまま原油安が続くとガソリン価格が100円を切る可能性はありますね。
もう少し原油に興味があるかたはコロナショックの裏で起きている原油戦争がヤバい【表と裏の理由】読んでみてください。